彬县大佛寺(大佛寺)
彬县(ビンシェン:ビン県)は西安から北西に130キロの場所にある小さな街です。街から少し離れた場所に大きな仏像を収容した仏教寺院があり、「彬县大佛寺(ダーフォースー:大佛寺)」と呼ばれています。
山の斜面に仏教彫刻を施した130もの洞窟を掘り出し、中でも壮観なのはやはり高さ31メートル、幅34メートルの大仏でしょう。洞窟内に安置されたいるため、風雨の影響から守られ、彩色がありありと残っている様子は貴重です。
当地はちょうどシルクロードの道筋にあたり、長安へ長い旅を経てきた人たちのよい目印として存在してきたそうです。
2014年にはユネスコ世界文化遺産「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」の一部として登録されました。
彬县大佛寺の歴史
彬县大佛寺の創建は南北朝時代で、もとは「応福寺」という名前でした。後に唐朝が興り第二代皇帝で名君の誉れ高い「太宗:李世民」が内戦の大敗をきっかけに、戦死した兵士を弔うために大佛寺の大規模な増築を行ったことで今日に知られています。
北宋の頃には「慶寿寺」という名前に変わり、やがて時代を重ねると「大佛寺」という俗称で呼ばれることが一般的になっていったようです。
訪問記
※この訪問記は2015年12月に彬県大佛寺を訪れた時のものです。
彬県大佛寺は西安から北西に130キロほどの場所、咸陽市彬県にあります。
西安から直通で大佛寺まで行くバスはなく、まずは彬県のバスターミナル行きのバスに乗車します。
西安の「城西客运站(チャンシークーユンジャン:城西バスターミナル)」から彬県行きのバスが出発しています。
城西バスターミナルは地下鉄一号線「汉城路(ハンチャンルー)」駅を出てすぐです。
ガイドブック「地球の歩き方」には「現在外国人が彬県行きのバス乗車券を買うことはできない」との記載がありますが、2015年12月当時は難なく乗車券を入手できました。
今でもダメもとで城西バスターミナルに行って聞いてみる価値はあると思います。車をチャーターすると高いですからね。バスなら片道50元で行けます。
西安から彬県までバスですと2時間ちょっとで到着です。
彬県のバスターミナル前に大佛寺方面の路線バスの停留所があります。
大佛寺までは15分くらいです。
山の斜面に楼閣が建てられていることがわかります。
午前中に到着したせいか、世界遺産の観光地にも関わらず人の入りはまばらです。
じっくりと見学できます。
こちらは千仏洞。
仏像の中には首が落とされてしまっているものも。唐代後期、仏教が禁じられていた時期に行われたものだそうです。文革の影響もあるのか?
他の石窟ですと柵が設けられていたりしてこのように間近には見物できないものですが、その点でも彬県大佛寺は貴重です。
じっくりと芸術性高い仏教彫刻を堪能できます。
千仏洞だけでもかなりの見応えがあります。
1960年代に建てられた石碑。これはこれでかなり年季が入っていて風格を感じます。
これは関羽を祀った関帝廟かな?
仏教だけでなく道教関連の祠もあります。それだけこの寺院が周辺の人々の信仰の拠り所となっていたことなのかもしれません。
これが大佛寺のメインエベント、高さ30メートルの大仏様。
1階の入口が施錠されていたため、2階の吹き抜け部から大仏様の上半身だけ拝観することができました。
恐れ多くも正面から相対すると威圧感があります。
誰かに似ているような、、、
大佛寺正面の楼閣からだけでなく、少し外れた場所にも石窟や仏像、道教の神様を祀った部屋があります。
彬県大佛寺の敷地はさほど広くありませんが、見所はたくさんあり、簡単に飽きることはありません。
西安に魅せられ、2度、3度と訪れるようなことがありましたら、ぜひ彬県大佛寺の観光をオススメします。
シルクロードの雰囲気をたっぷりと味わえることと思います!
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