2018年の端午節(6/16-6/18)の連休に2泊3日で甘粛省金昌市永昌県を旅した訪問記(2)です。
第1回はこちら!
甘粛省永昌訪問記・その2
者来寨
金山寺を出て北に10分ほど歩くと骊靬古城(リーチェングーチャン)のある集落に到着します。
手前ではテーマパークらしき施設を建設中でした。
門を入って正面に広場があり、その奥が古代ローマ人が移り住んだと言われる「者来寨(ジャアライジャイ)」です。
家屋のほとんどが土を固めたりレンガを積んで建てられており、玄関や屋根の一部分に金属が用いられています。
人気がなく、歩いているとなんとなく時間が止まっているように感じます。
これが骊靬古城です。かつてここにあった城の跡でしょう。どんな城だったのでしょうか。
やはり古代ローマの面影が残るものだったのでしょうか。
村の周りには何もありません。
古代ローマ式あずまやのようなものが見えます。
政府の建てた記念碑のようです。
このあずまやからはるか彼方にゲルらしきものが見えました。
ゲルとはモンゴル地方の遊牧民族の用いる移動式住居です。ここから数十キロの距離に内モンゴル自治区があります。
この道を行くと内モンゴル自治区に入れるのでしょうか。
集落には人影が見えなかったのですが、ようやく向こうに人影が。
普通の中国人に見えます。瞳が青いかどうかはわかりませんでした。
あんまり近づくのも失礼ですし、すれ違いにニーハオと挨拶して村を去りました。
結局、古代ローマの末裔の謎についてはよく分からないままとなりました。
分からない方がよいこともある、ということで。
永昌の街を散策
徒歩で金山寺に戻り、行きのタクシーの運転手さんを呼び出し永昌の街に戻りました。良い人柄だったので電話番号を聞いておいたのです。
ちなみに明日もこの運転手さんに郊外を案内してもらうことにしました。
今日の宿はこちら、「金汇国际酒店(ジンフイグオジージョーディエン)」です。
ひとり旅でこんな大層なホテルに泊まらなくてもよいものですが、都会から外れた場所では外国人の泊まれる宿を探すのは一苦労なのです。
といっても1泊二千円ちょっとです。
部屋に荷物を置いて永昌の街を散策に出かけます。
こんな高層マンションもあるにはありますが、ほとんどが背の低い建物ばかりで、交通量も少なく、せかせかした雰囲気はありません。
ここにも古代ローマ人の像が。
永昌の街のランドマーク「鼓楼(グーロウ)」。
こちらの像はひとつ前の版の「地球の歩き方 西安 敦煌 ウルムチ」にも掲載されていた写真だと思います。
永昌バスターミナル。
今回の旅ではこのバスターミナルを利用することはありませんでした。
羊を食べる
さあ夕食です。甘粛省に来たらやはり羊です。
こちとらうまい羊を食べるために甘粛省まで来ています。
石窟や古代ローマなど羊を食べに来るための口実と言っていいでしょう!
県城(県の市街地のこと)から骊靬古城(リーチェングーチャン)に向かう道に、周りの農村で取れた野菜や羊を食わせるレストランが集まったエリアがあり、そのうちの一軒にお邪魔しました。
こぎれいで好感が持てます。
ただ、団体客メインに営業しているようで、わたしのような怪しいひとり旅の男向けの席はなく(この店に限らずどこの店にもないが)、特別にテーブルと椅子を用意してくれました。申し訳ありません。
黄焖羊肉(ホンメンヤンロウ)を注文。骨つき羊肉の煮込みです。
1斤(500グラム)68元(千円くらい)。
ドーン!
これは見るからにうまそうだ!
酒が進むね!
羊肉と生ニンニクを交互にかじりながら、途中の商店で買った白酒を小一時間かけていただき、満足してお店を出ました。
注文の際、お店のおじさんにわたしの中国語がなかなか通じず、怪訝な顔をされてしまいましたが、会計の時の会話でわたしが日本人だと分かると、おじさんは、
「羊はうまかったか!気をつけて帰れよ!」
と笑顔で送り出してくれました。
夜の永昌
外に出ると日が暮れかけていました。
このような郊外の田園風景はもう長い間眺めていない気がします。
宿に戻る途中で怪しげなテントを発見!
先ほどこの道を通った時にはありませんでした!
何か焼いているではありませんか!これは調査が必要だ!
なんとなく日本の屋台のスタイルにも似た感じです。
ここでは珍しく「大肉(ダーロウ)」の串焼きをいただきました。大肉とは豚肉のことです。
西安住まいですと、本来このような串焼き(烧烤,烤肉)はイスラム教徒である回族がやるもので、漢族のやっている烤肉店でさえ豚肉の串なんてあり得ないという感覚ですが、西安よりも回族の割合が多い甘粛省で豚肉の串焼きを出す店に出会うとは驚きでした。
当然ながらここで串焼きを焼いている夫婦(?)は漢族でした。わたしが腰を据えて肉や野菜の串をかじっていると、後からお客さんが何組か入ってきて盛況な様子を見せ始めました。
わたしが日本人だと知って店のおばさんが子供を呼びにやってました。
そんなに珍しいか。
わたしは先ほど羊を食べたときに一緒に白酒をやっていたために酩酊しており、いくぶんいい気になって下手くそな中国語を饒舌に繰り出し、テントの人たちを困惑させてしまったかもしれません。
旅の恥はかき捨て。ご馳走様でした。
夜の永昌の街並みです。
大通りから少し小さい道に入っていきます。
カードゲームに興じる年配のみなさん。
ライトアップされた鼓楼。
鼓楼の周りの商店街。
永昌の旅の第2回はここまで。
次回の最終回は翌朝から永昌郊外を訪ねます!乞うご期待!
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第3回はこちら!