2011年10月、シルクロードの街として有名な観光地「敦煌(とんこう)」を訪れました。
前回は敦煌郊外の「玉門関」「漢長城」「河倉城跡」を訪ねました。
辺境の史跡で日本語ペラペラの人に出会い驚嘆する
敦煌の東へ向かう
敦煌の2泊が終わり、今日はこれから嘉峪関へ向かいます。
広大な大地の迫力に人間の小ささを知った敦煌の地に別れを告げ、馬さんのワーゲンは東へと走ります。
運転手の馬さん
途中、車を停車し休憩となりました。単に馬さんがタバコを吸いたかっただけか。
馬さんは日本語ができませんが、ガイドの張さんが取り持ってくれ(笑)、馬さんと私はこの2日間でかなり親しくなることができました。
最近初めてのお子さんが生まれたこと、家は敦煌でなく酒泉にあること、お前酒は飲めるのか羊はうまいんだぞ知らないのか、などと断片的にですが少しずつ馬さんのことを知ることができました。
ゴビ灘に生える草は「ラクダ草」と言って、近くで見ると鋭いトゲがたくさんあって踏み込んでいくことはできません。ラクダはむしゃむしゃ食べるそうです。
鎖陽城跡
鎖陽城跡に到着しました。
鎖陽城は前漢の武帝の時代に建設され、当時は別の場所にあったのが、西晋の時代にいまの場所に移された(西暦295年)そうです。
朽ちかけた土の城跡が太古への郷愁に誘います。
鎖陽城の城郭跡に上り、周囲を一望できます。
他の観光客のおじさんも鎖陽城からの眺めに感動しているようです。
鎖陽城の公衆トイレを撮りましたが、いまあらためて見るに、このような辺境の地において、このトイレはよく清潔に保たれています。
もしあなたがこのトイレでどなたかと隣り合って排泄をする機会があるなら、それもまた縁でありましょう。
玄奘旅立ちの地点
鎖陽城はかの玄奘が西域に向かう途中立ち寄ったことでも知られています。ここは玄奘が西域に向けて出発した地点だそうです。
われわれも鎖陽城を出発し、瓜州の街で昼食にします。
食堂の厨房を撮ったらおばさんにキレられる
昼食に入った食堂で、調理の様子を撮ったら店のおばさんに怒られました。
ガイドの張さんと運転手の馬さんが取りなしてくれましたので大きな問題はありませんが、やはり撮るときは事前に断りを入れるのがいいでしょう。
楡林窟
鎖陽城跡の南西、車で1時間ほどの場所に「楡林窟(ゆりんくつ、ユーリンクー)」があります。
敦煌周辺には石窟が点在していますが、この楡林窟は莫高窟に次ぐ規模の大きさです。
谷の上から楡林窟を一望できる素晴らしい眺めです。
荒野の谷間を流れる「楡林河」、その両サイドに石窟が掘られています。
谷底では羊がいます。羊はラクダ草を食べられるのかな、他に餌がなさそうですが、、、
男性ガイドさんの日本語レベルに驚く
莫高窟と同様、楡林窟の専門のガイドさんに着いてもらい見学しましたが、この男性ガイドさんの日本語のレベルにビックリしました。日本人なんじゃないの?という発音レベルと語彙の豊富さでした。
このような人里離れた辺境の場所になんでこんな人がいるんだ、という印象と、日本の十倍の人口を誇る中国の人材の豊かさに圧倒される思いでありました。
嘉峪関へ
楡林窟の見学を終えた後、これから嘉峪関(かよくかん、ジャーユーグアン)市に向かいます。4時間もの道のりのため、馬さんの頑張りどころです。
嘉峪関市に近づくに連れ、建設中のマンションが多く目に入るようになりました。
次回「嘉峪関編」、万里の長城の要衝、世界遺産「嘉峪関」を見学します。