2016年の10月、青海省と甘粛省を旅しました。
- 1日目:西安から鉄道で青海省の省都西寧市へ
- 2日目:西寧市街観光(東関清真大寺、土楼観、青海省文化博物院、タール寺)
- 3日目:西寧からバスで大通回族土族自治県へ移動し、明代長城を観光。西寧市に戻り青海省博物館、南涼虎台遺址公園を観光
- 4日目:西寧からバスで黄南チベット族自治州の同仁へ。隆務大寺、吾屯を観光
- 5日目:同仁からバスで甘粛省の甘南チベット族自治州の夏河へ。ランブロ寺を観光
- 6日目:夏河からバスで南チベット族自治州の郎木寺へ。郎木寺を観光
- 7日目:郎木寺からバスで甘南チベット族自治州の合作へ。市街観光
- 8日目:合作から甘粛省の省都蘭州へ移動し、鉄道で西安へ帰る
昨日は郎木寺鎮を散策しました。
合作よいとこ一度はおいで
合作へ
10月6日の午前5時起床、宿を6時にチェックアウト。
郎木寺にはバスターミナルがなく、バスが停まっている停留所まで歩き、6時半発の合作経由蘭州行きのバスに乗車。
写真がないのは、まだ真っ暗で街灯もまばらで、何よりとても寒かったからです。標高3,337㍍ですからね。
午前9時に合作のバスターミナルに到着。合作市内の標高は2,936㍍。
合作はここ数日訪れたなかでもっとも都会です。何しろ「合作『市』」ですからね。中国では市は県よりもでかいです。
まだ午前中ですが予約していた宿に恐る恐る電話。
幸い老板が出てくれて「チェックインしてもよい」とのことで、バスターミナル横にあった食堂で朝飯に牛肉麺を食ってから宿に向かいました。
とても清潔感のあるユースホステルです。
老板はチベット族のようです。商売上手なチベット族もいて、というより、中国では民族の属性に関わらず、多くの皆さんが熱心に自分の仕事や商売に打ち込んでいる、というのが実際の姿でしょう。
私がこれまで訪れた場所で見た景色はまさしくローカルな姿なのです。
そのローカルが「イレギュラーだ、異端だ、指導が必要だ」までいくと問題だと思いますが、、、
合作市街を散策
10時半、散策開始です。
合作(ハーズォ)市は甘粛省甘南チベット族自治州に属する市で、人口約11万人。チベット語では「ツォエ」。
金を始めとして、鉛、タングステン、硫黄、鉄、ヒ素、ウランなどの鉱物資源の採掘地として経済発展をしている街です。
天気がよく、気持ちがいいです。
回族のお寺ですね。
合作寺(ツォエ・ゴンパ)
11時半、市街の北にある合作寺(ツォエ・ゴンパ)にやってきました。
合作寺(ハーズォスー、ツォエ・ゴンパ)は1673年の創建。
おなじみの文革によってお取り潰しの目に遭いましたが、1981年に名誉恢復し、残っていたお堂の修復など再び寺院の建設が始まりました。
ミラレパ仏閣(ツォエ・セルガル・グトク)
合作寺でひときわ目を引く建物が、ミラレパ仏閣(ツォエ・セルガル・グトク)です。
ミラレパ仏閣の周囲を多くの人々がコルラしています。私も参加します。
ミラレパについての説明をwikipediaから引用します。
“https://ja.wikipedia.org/wiki/ミラレパ” から引用
ミラレパ、ミラ・シェーペー・ドルジェ(1052年 – 1135年)は、チベットの仏教修行者・聖者・宗教詩人。一生のうちに仏陀の境地を成就した偉大なるヨーガ行者として、尊敬を集め万民に愛されている最も有名な一人。一般に師であるマルパ・ロツァワ(1012年-1097年)とともにチベット仏教四大宗派の一つであるカギュ派の宗祖とされる。ジェツン(rje btsun、至聖)と尊称される。
ミラレパ仏閣は、ミラレパが師マルパの命で建てた9階建ての塔を模したもので、1777年に創建され、1994年に再建されました。
ミラレパ仏閣のオリジナルは「セルガル・グトク・ゴンパ」。
チベット自治区の南、ブータン国境近く(外国人は立ち入りできないエリア)の村「ラカン(拉康)」にあります。
ミラレパが若い時に尽くした悪行を「浄化」するために、師マルパはミラレパに言語を絶する試練を与えました。そのひとつが「石積みの塔を作り、解体し、石を元あった所に戻せ」というものでした。それをマルパはミラレパに9回繰り返させました。
中に入って参拝することができます。写真撮影はできませんが、一見の価値があります。
豚がいる
あっ!
豚と思われますが、豚を放牧しているのでしょうか?
いま改めて思うに、2018年に青海省の海南チベット族自治州を旅した時、同徳という街を歩いていたら、やはり豚らしき動物を見ました。
チベット族は豚を食べるイメージがあんまりないですが、食用以外で飼育して得することないでしょうし、簡単に盗めそうですから利に聡い漢族がこのような場所で放牧するとも考えにくいです。
やはり「チベット族が食用にしている」に1票投じたいと思います。
草原を歩む
寺院の裏手にある丘を登ってきました。
標高が高いからか、雲が近く見えます。合作市街の標高は2,936㍍。
遠くにヤクの群れが見えます。
酒飲んで食う
合作の街に戻り、屋台街があったので適当な店を選んで席に着きました。
「酒飲んでもいいよ」と許可をもらい、売店で買った酒を取り出しました。
席について少ししたら雨が強く降り出してきました。ナイスタイミングでした。
雨の予報が出ていたようで、どのお店も幌の屋根を設置済みでした。
野菜串と羊肉串をかじります。今回の旅行で最後の夜なので、しみじみと飲ります。
このあと別の店でシメに麺を食べてから宿に戻りました。
雨の勢いはいよいよ強く、傘があったのにずぶ濡れで宿に戻り、老板に笑われました。
翌朝、合作のバスターミナルから蘭州行きのバスに乗車し、鉄道で西安に戻りました。
長い旅でしたがお終いはあっさりといきましょう(笑)。
以上、2016年版チベット文化を訪ねる旅でした。
ここまで読んでいただき、大変感謝!
ありがとうございました!