2016年のお正月、甘粛省の天水市を旅しました。
- 1日目:深夜に鉄道で西安から天水に移動。世界遺産「麦積山石窟」とその近郊にある名刹「仙人崖」を見学し、天水市内に戻り一泊
- 2日目:天水郊外にある三国時代の史跡「街亭古戦場」、天水市内の名所旧跡「伏羲廟」「玉泉観」「南郭寺」「李広墓」をそれぞれ見学し、西安に戻る
前回は天水市街で1泊した後、三国時代の史跡「街亭古戦場」を見学しました。
天水市街を観光する
伏羲廟の伏羲像に威圧感を受ける
1月2日の午後、街亭古戦場から天水の秦州区に戻ってきました。
まずは伏羲廟を見学します。
はるか向こう正面に、何やら光るものが見えます。
かなり離れたところからでも視認できるほど大きな像が鎮座していることが分かります。
ちょっと怖い。
伏羲にお参りしますが、ライトアップされていることもあり、表情がちょっと不気味です、、、
伏羲についてwikipediaから引用します。
“https://ja.wikipedia.org/wiki/伏羲” から引用
伏羲(ふくぎ、ふっき、ふぎ Fu Hsi または Fu Xi)は古代中国神話に登場する神または伝説上の帝王。宓羲・庖犧・包犧・伏戯などとも書かれる。伏義、伏儀という表記も使われる。三皇の一人に挙げられる事が多い。姓は風。兄妹または夫婦と目される女媧(じょか)と共に、蛇身人首の姿で描かれることがある。太皞(たいこう)と呼ばれることもある。
文化英雄:
伏羲は、黄帝・神農などのように古代世界においてさまざまな文化をはじめてつくった存在として語られる。『易経』繋辞下伝には、伏羲は天地の理(ことわり)を理解して八卦を画き、結縄の政に代えて書契(文字)をつくり、蜘蛛の巣に倣って網(鳥網・魚網)を発明し、また魚釣りを教えたとされる。書契や八卦を定めたことは、黄帝の史官蒼頡によって漢字の母体が開発されたとされる伝説以前の文字に関する重要な発明とされる。漢の時代に班固が編纂した『白虎通義』によると、家畜飼育・調理法・漁撈法・狩り・鉄製を含む武器の製造を開発し、婚姻の制度を定めたとある。伏羲は、八卦を河の中から現われた龍馬の背中にあった模様から発明したと易学では伝承されており、これを「河図」(かと)と呼ぶ。易学の書物である『易経』も、著者として伏羲が仮託されている。
街亭古戦場の近くにあった女媧祠に祀られていた女媧の旦那さん(あるいは兄妹)として、中国ではこの2人が地上に現れた最初の人間の男女とされているそうです。
江沢民が書いた字もありました。
玉泉観
伏羲廟から北東1.5㌔くらいの場所に道教寺院「玉泉観(ユーチュエングアン)」があります。
唐代の創建ですが、現在に残る建物の多くは明・清代に改修が行われて今に至っています。
夕陽にたたずむお堂が美しい。
杜甫も詩に詠んだ「南郭寺」
玉泉観から南東に6㌔の場所に「南郭寺(ナングオスー)」があります。
お寺まで山に登りますが、途中、日本にもあるような、小さい子どもたちが遊ぶ公園がありました。
お金を取られますが、、、
なかなか本格的な遊具もあります。面白そう。
おじいさんが孫(たぶん)にショベルカーの操作を教えていました。
南郭寺の創建がいつかはちょっと調べても出てこなかったのですが、唐代の詩人「杜甫」が南郭寺を詩に詠んでいる(西暦759年)ことから、そのころには天水の名刹として知られていたことが分かります。
秦州雑詩二十首 其十二
山頭南郭寺,水號北流泉。(南郭寺のある山には北流泉という泉がある)
老樹空庭得,清渠一邑傳。(庭には老樹のみ、清らかな水は一帯に流れる)
秋花危石底,晚景臥鐘邊。(石の根もとに秋の花が危なげに咲き、地に横たわる鐘に夕陽が差す)
俯仰悲身世,溪風為颯然。(いまの世を悲しみに顧みながら、風は颯爽と吹き抜ける)
悲劇の将、「李広」の陵墓
南郭寺から西に4㌔の場所にある「李広墓」にやってきました。
李広は前漢時代の将軍で、文帝、景帝、武帝に仕え、北方民族の匈奴討伐で功績を上げました。当時の英雄のひとりとして民衆の尊敬を集めました。
李広はここ天水の出身なのです。(当時は涼州隴西郡成紀県)
しかし、紀元前129年、匈奴討伐の進軍中、あろうことか道に迷い他の軍との合流に遅れたことで、自裁してしまいました。悲劇の将でありました。
羊を食って西安に戻る
これから西安に戻るのですが、その前に天水駅近くの食堂で羊を食いました。
「手抓羊肉(ショウジュア・ヤンロウ)」とキクラゲと玉ねぎの凉菜(リャンツァイ:サラダ)をいただきました。
手抓羊肉はゆでた羊肉です。塩や一味唐辛子などを付けながらいただきます。付け合せにニンニクをかじります。
羊肉の肉肉しい味わいは、日本で食べる牛の焼肉や煮豚などとはちょっと一線を画します。
シメに麺をいただきました。何の文句もなく大満足です。
天水はこの後何度か訪れています。
決して都会ではないですが、名所旧跡も多く、シルクロードのムードも濃く、西安とは違うニュアンスの麺も味わうことができる素晴らしい街だと思います。
ここまで読んでいただき、大変感謝!
ありがとうございました!