2泊3日で河南省の「三国志」遺跡を訪ねる旅、その2です。
その1ではまず西安から夜行列車で河南省許昌市へ。許昌のバスターミナルから南西に約180キロ、南陽市に向かいました。
南陽では、
- 蜀の武将「黄忠」の故郷「黄忠故里」
- 南陽武侯祠
- 悪来典韋が討ち死にした「宛城の戦い」の跡地
などを訪ねました。
その1はこちら!
三国志・魏の都を訪ねる(南陽→許昌)
2日目 南陽から許昌に戻る
2日目の朝8時半頃、南陽バスターミナルから許昌に向かいます。
ズラーっとバスが並んでいます。河南省の周辺地域を始め、中国各地へ向かいます。
高速道路をブアーっと飛ばして許昌に向かいます。
昼前に許昌に到着。
バスターミナルの近くに飲食店が密集している界隈があり、その路上に昨日の昼食で食べたような羊肉汤の店が。
昨日は羊肉烩面、今日は羊雑汤(ヤンザータン)を。羊杂(ヤンザー)、羊のモツを入れたスープです。
ナンをかじりながらいただきます。
濃厚スープに羊のモツで精がつくこと間違いなしでしょう。
華佗墓
腹ごしらえの後、路線バスで許昌市内の北の方に向かいます。
目的地の近くまで行ってスマホの地図アプリを見ながら行けば大丈夫だろう、とタカをくくっていたら、バスを降りた場所が郊外すぎて電波が弱く位置どりが不安定になり、難儀をしました。
川沿いの綺麗な遊歩道を歩いていたら工事が中途半端で途中で行き止まりになって来た道を延々戻るハメに。
地図アプリに乗っていない貨物列車の線路の下にあるトンネルを行こうとしたらこのような惨状に。引き返しても他に道はなく途方にくれていましたが、なんとか苦肉の策を見出します。
落ちていたビニール袋を履いてなんとか靴に及ぶ被害を最小限にする作戦でなんとか往来に成功。
トンネルを抜けるとそこは農村のあぜ道でした。
この川の向こうに三国時代の医師「華佗」の陵墓があります。
見えてきました。ここまで来るのにバスを降りてから1時間以上かかってしまいました。
森の中に佇む「華佗墓」。わたしが訪れた時人気はなく、ひっそりとしています。
大きな華佗像。
華佗は名医として知られ、三国志演義では関羽が矢傷を受けた際に切開手術をしたエピソードが有名です。
後に曹操に用いられましたが、待遇に不満を抱き偽って郷里に戻るものの、結局曹操に捕らわれて連れ戻され、処刑されてしまいました。
現代にも華佗の行いは伝えられ続け、今日では道教における医学の神として、華佗が祀られている道観も少なくありません。
ここはそんな偉大な医師、華佗が眠っている場所なのであります。
華佗墓を出ますが、来た道を戻る気はありません。近くに張月庄村という集落があるので、そこからバスに乗って許昌市内に戻ることにします。
トボトボ歩いていたのですが後ろから電動三輪に乗ったおじさんが来たので、勇気を出して乗せてくれるか聞いて見たところ、「いいぜよ、乗りんせいな」とのありがたいお言葉。
歩いていたら15分くらいかかったであろう道を数分で集落まで到着することができました。
おじさん、ありがとうございました。
こんな感じの田舎道は日本でも見かけられそうですね。
30分くらい待ってようやく「308路」のバスが来ました。ともあれ無事に許昌市内に戻れました。行きもこのバスに乗ってくればよかったです。大バカです。
王允墓
次の目的地「王允墓」は華佗墓ほど北ではありませんが、やはり市内北部に位置します。
路線バスに乗って「魏都区政府」に向かいます。
許昌市に限らず政府のビルは馬鹿でかいので周囲は建物と大きな道しかなく、景観として味気なく歩いていても面白くありませんので、さっさと目的地に向かいます。
政府ビルの北を流れる川の遊歩道沿いに王允墓があります。
王允は後漢末期の司徒、いわば政府高官で、宮廷を牛耳り非道の限りを尽くした董卓を討伐するための中心的な役割を担いました。
董卓を討ち宮廷に平和が戻ったかと思いきや、董卓の残党である「李傕(りかく)」「郭汜(かくし)」らの処遇を誤り、彼らの急襲を受けて王允は敢え無い最期を遂げました。
三国志演義では、王允は養女だった「貂蝉(ちょうせん)」を用いて董卓とその側近「呂布」に色仕掛けで仲違いをさせ、呂布に董卓を討たせます。
宿に大浴場があることがわかり狂喜する
夕方になりましたので宿に向かいます。
ユースホステルを予約していたので電話を入れてみると、「中秋節は実家に帰っているので営業してないよ〜」とのこと。なんだとこのヤロー!
仕方ないので目ぼしいホテルに片っ端から電話をして外国人が泊まれるかどうか確認。7、8件目でようやく「泊まれるよ」とのご回答が。早速向かいます。
こちらが「许昌蓝海岸国际商务会馆毓秀路店」です。
なかなか豪華な外観にも関わらず、1泊81元でした。安い!
このホテルの特筆すべきところは、1泊につき2回まで大浴場を利用できるのです!ウヒョーイ!
早速夕飯前にひとッ風呂浴びてきました。こちらが大浴場に続く道です。
この暖簾の向こうが大浴場です。
大浴場の様子は写真に納めませんでしたが、81元の料金で風呂に浸かれるとは思いもしなかったので大満足でした!
シャンプー、ボディーソープ、洗顔ソープ、カミソリ、綿棒も完備!
許昌に来たらこの宿ですね!ユースホステルの老板が実家に帰っていて万々歳でした!
さて、夕食は宿にチェックインする前に宿の前にあった回族の店で烧鸡(シャオジー)を買っておりました。
鶏を丸ごと煮込んだものです。焼くって書いてますけど煮てます。焼く工程もあるのかもしれません。
これを宿の部屋でゆっくり一杯やりながらいただきました。
ゲップをしながらシメを食べに外へ。
宿と同じ建物にあった「热干面(ルアガン麺)」の店に入りました。湖北省武漢の名物です。河南省でもよく食べられます。
屋台で食べるようなものとは違い、お洒落なお店の作りだったので麺も様々な具が乗っていて彩り豊かです。
後ろのは無料の生姜茶です。酒を飲んだシメには最適なお店に入りました。
上の写真では見えませんが黒ゴマのタレがかかっていますのでかき混ぜるとこんな感じになります。
黒ゴマは白ゴマよりも高いですし栄養価も豊富とされておりますから、これもよしです。
ごちそうさまでした。
腹ごなしに少し歩いてから宿に戻りました。
2日目はここまで!
次回最終回をお楽しみに!