2012年9月9日から17日の期間で、中国の河南省と北京を旅行しました。
前回は西安から高速鉄道で河南省洛陽市の「洛陽龍門駅」にやってきました。
世界文化遺産「龍門石窟」
大小様々な石刻の仏像の数々に圧倒される
歩みを進めるにつれ、観光客が多くなるのがわかります。なにしろ世界遺産ですからね。
「禹王池」とあります。中国古代の皇帝「禹(う、ユー)」がこの龍門一体の地域を切り拓いたという伝説にちなんで付けられた名称でしょう。
中国三大石窟のひとつ、龍門石窟の開掘は北魏孝文帝の時代、西暦493年にさかのぼります。
龍門石窟に限らず、大きな石窟は開掘が始まった時代だけでなく、その後数百年、複数の王朝にまたがってその規模を大きくしています。
この龍門石窟に関しては、3割が北魏時代、6割が唐代、残り1割がそれ以外の時代に造られたものとされています。
なお、中国三大石窟のうち、他の2つは山西省大同市「雲崗石窟」、甘粛省敦煌市「莫高窟」になります。
敦煌の莫高窟を訪れた時の記事は以下になります。
https://kang-fu-lu.com/2023/02/08/%e3%80%90%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e6%97%85%e8%a1%8c%e3%83%bb%e7%94%98%e7%b2%9b%e7%9c%81%e3%80%91%e6%95%a6%e7%85%8c%e3%82%b7%e3%83%ab%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%89%e5%98%89%e5%b3%aa%e9%96%a23/
ひとつひとつの仏像が大きいだけでなく、少しずつ表情が違うのが見ていて飽きません。
すでに朽ちている像も少なくないですが、顔の表情だけでなく、衣服、仕草やポーズ、体勢がそれぞれ異なるのが分かります。
仏像のポーズをして悦に入ってるんでしょう(笑)。
盧遮那仏への階段
さあ、この階段を上っていけば龍門石窟の代名詞ともいえる盧遮那仏(るしゃなぶつ)の像を拝むことができます。
その周囲にもごくごく小さいですが無数の洞窟があり、中には仏像が掘られています。
高さ17メートルの盧遮那仏(るしゃなぶつ)
ドーン!階段を上りきり、盧遮那仏が現れました。
大きく迫力がありますが、同時にどこか涼しげで颯爽とした感じもします。
私の写真撮影の技術ではそれがほとんど伝わらないであろうことが残念です。
角度によって様々な表情を見せます。よく見ると目玉も描かれています。
見飽きることがありませんが、ずっと見上げているので首が疲れてきます。
20分ほどこの場所に滞在し、それぞれの仏像をじっくり堪能させていただきました。
東山石窟へ
伊河を渡り、対岸に出て、「東山石窟」と呼ばれるエリアに入ります。
伊河は黄河の支流である「洛河」の支流になります。要は黄河の支流の支流なのですが、それでも大きいですね。
中国のでっかさがこんなところからも実感できます。
遊覧船もあります。川幅が広いとアトラクションもいろいろ楽しめます。
東山石窟にもたくさんの石窟が掘られているようです。
東山石窟の多くは鉄格子が設置されており、容易に仏像の様子を確かめることはできませんでした。
もろくなって風化が激しくなっている仏像が多いからだと思われます。
壁面に掘られている仏像も見事です。ほとんど朽ちてしまっていますが、完成当初は色づけもされていたはずで、さぞかし色彩豊かだったろうことが偲ばれます。
中央の坐像だけでなく、周囲の壁面にも仏像が掘られています。壁の上部にも仏像が掘られていたのでしょうか。
次回、この地で生涯を終えた詩人「白居易」のお墓のある白園を見学します。