先日「長陵」に行ってきました。漢の初代皇帝、「劉邦」のお墓です。
漢の高祖・劉邦の陵墓
なぜかマイナーな長陵
西安は古来、西周、秦、前漢、隋、唐の都があり栄えてきましたが、その代々の皇帝の陵墓もこの西安近郊にあり、とりわけ秦の始皇帝の「秦始皇陵」、唐の第三代皇帝高宗と皇后である則天武后が眠る「乾陵」などは有名な観光スポットでもあります。
さて、この長陵はというと、なぜかそんなに有名でない様子です。漢の高祖(初代皇帝を高祖という)「劉邦」といえば、その後数百年(一度途絶えはするものの)続く漢王朝の礎を築いた人に他なりません。
「漢」という字はやがて中華民族そのものを表し、彼らが用いる文字は「漢字」と呼ばれるようになりました。現代の中国に与えた影響は計り知れません。
また、劉邦自身はさほど突出した能力を持っていたわけではありませんが、人の意見をよく用い、彼の周りには自然に有能な人材が集まったといいます。
そんな彼の人物像は現代の中国人にとって「理想の上司像」としての一面もあるようです。
そんな偉大な人物の陵墓を見学して来ましたので、ご紹介いたします。歴史に興味のある方は、西安にお越しの際はぜひ「長陵」をお訪ね下さい。
長陵の場所
長陵の場所をざっくり地図で示します。

地図の中央上部に見えるのが「長陵」です。西に西安咸陽国際空港、東にはガイドブックにも掲載されている、前漢の第六代皇帝、景帝(劉邦の孫にあたる)の陵墓「漢陽陵」があります。

地図の右下には高速鉄道の駅「西安北駅」が見えます。西安北駅は西安市街を南北に走る地下鉄2号線の北の終点になります。したがって長陵は西安市街からかなり北に位置する場所にあることがわかります。
西安市街からはだいぶ街はずれになりますが、他の皇帝の陵墓のほとんどはもっと離れた場所にありますので、長陵は比較的アクセスしやすい陵墓になるかと思います。
長陵への交通
長陵に直接アクセスする公共交通はありません。路線バスを乗り継いで最も近い場所で降り、そこからは徒歩で長陵に向かうという方法を採ります。
- まず、「市図書館」のバス停から路線バス「遊4路」で終点「漢陽陵博物館」へ
- 「漢陽陵博物館」のバス停から路線バス「咸陽5路」で「劉家溝村」で下車
- 徒歩で北に進み、長陵に到着
路線バス「遊4路」の注意事項
「市図書館」は地下鉄2号線の駅がありますので容易にアクセスが可能です。ただ、「遊4路」が発車する場所は地下鉄の駅からは少し横道にそれた所にあるのでわかりにくいです。

「起」マークの場所から出発します。運賃は2元です。
さらに、この「遊4路」は運行本数に限りがあります。
「遊4路」の発車時刻表——————————-
市図書館 8:30 10:20 12:00 13:40 15:20 17:00
漢陽陵 9:30 11:10 12:50 14:30 16:10 18:00
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この発車時刻を逃すと長時間待ちぼうけになりますので注意が必要です。
わたしは週末少し早起きをして、8時半の「遊4路」に無事乗車。街を抜けると高速道路に入ります。渋滞に巻き込まれなければ、30分ほどで「漢陽陵」に到着します。
漢陽陵に到着した後の続きはまた次回。引っ張ってスミマセン。
