前回に引き続き、漢の高祖・劉邦の陵墓「長陵」を訪ねます。
前回はこちらです。
劉邦の陵墓「長陵」(中編)
路線バス「遊4路」で終点「漢陽陵博物館」までやってきました。
「咸陽5路」のバスは1時間おき
「陽陵」は前漢の第六代皇帝、景帝の陵墓です。第五代皇帝、文帝に続く善政を敷き、この時代(紀元前180年−140年ころ)は「文景の治」と呼ばれ、前漢の最も栄えた時期であるとされます。
ちなみに三国志の主人公のひとりである劉備は、この景帝の末裔を名乗り、世に出ます。
正面に見えるのが景帝の陵墓です。近くにはこの陵墓から出土した品々を展示している博物館が併設されています。品々が出土した地下墓地はほとんどそのままの形で公開されており、これは一見の価値があります。
朝9時過ぎにも関わらず、これからわたしの向かう長陵とは違い(笑)、観光客が大勢訪れ始めています。観光バスがひっきりなしでした。
漢陽陵の入場口の手前にこの「咸陽5路」のバス停留所があります。「遊4路」の戻りの停留所のちょうど向かい側です。
この「咸陽5路」は1時間おきの到着のようです。わたしは肌寒い中30分以上待ちました。これくらいは想定内です。なんでもスムーズにいくと思ったら大間違いなのです。
「咸陽5路」という名前の通り、このバスは西安市ではなくお隣咸陽市の管轄の路線バスです。目的地である長陵は咸陽市にあります。バスは一度集落の小さなバスターミナルに停車して乗客が集まるのを少し待ったあと発車。道自体は舗装されているものの周囲に見えるのは農村ののんびりした風景です。
「劉家溝村」で降ろしてもらいます。
ここに住む人々はもしかして劉邦の末裔なのでしょうか?だとしたらおもしろいですね。世が世ならお殿様といったところでしょうか。代々長陵の墓守をしている一族がいるのかもしれません。
ここからは徒歩で長陵に向かいます。
スマホの地図アプリ「百度地図」で現在位置を確かめます。赤いピンがついているのが劉家溝村、少し北にある☆マークが目的地「長陵」です(東に見える☆マークは漢陽陵)。3キロ弱といったところでしょうか。よい運動になります。
村の集落を抜け、周囲には畑が広がります。この上の写真の地平線の右側に、わかりにくいですが少しだけ盛り上がっているのが見えます。これが目指す長陵に違いありません!
遠くに工場の煙が見えます。
道は少しずつカーブしたりして、さきほどうっすら見えていた陵墓は見えなくなりました。
地図アプリを確かめながら進みますが、このあたりまで来ると電波が届かず、現在位置表示が不安定になります。安全と安心を求めるなら方位磁針を携帯するのがいいですね。とくにわたしは方向音痴なので、たまに真逆の方向に進んでいることがあるからです(笑)
畑もなくなってきました。さびしい。
もうしばらく進むと長陵が見えてくるはずです。それでは次回最終回を乞うご期待!
後編はこちらです。