空海
真言宗の開祖「空海(774-835)」は遣唐使として804年に日本を出国、当時唐の都であった長安に遊学し、中国仏教、とりわけ師事した恵果和尚から密教の奥義の伝授を受けます。
20年の唐留学の予定をたったの2年(恵果和尚から密教の教えを受けた期間は半年ほど)で切り上げ、空海は日本に帰国し、真言宗の確立に尽力します。
空海の中国での経験は、日本の仏教発展への寄与だけでなく、書画や土木技術にも生かされ、宮廷での文書作成指導や地方都市の治水事業にも携わりました。
空海は今回ご紹介する青龍寺で恵果和尚から密教の教えを受けますが、その前は「大興善寺」に滞在をしていました。
訪問記
空海が恵果和尚に密教の教えを受けた寺院が「青龙寺(チンロンスー:青龍寺)」です。西安市街の南に位置します。
青龍寺へのアクセスはとても簡単。地下鉄3号線「青龙寺」駅から徒歩5分。便利な世の中になったものです。
こちらが「青龙寺」駅A出入口です。
正面はこんな有様ですが、じきに取り壊されて、片付けられるのでしょう。
駅を出て左の道を渡り、右にしばらく進むと青龍寺の東門に到着します。
もちろんこの東門から入っても構いませんが、今回わたしは北門の方に回って見ました。
入る前にちょっと付近をぶらぶらしました。要は腹ごしらえです。
食堂が何件か並んでいたのでこちらで麺を食べました。
味付けは「油泼(ヨウポー)+杂酱(ザージャン)」。
煮えたぎった油をかける陝西省名物の麺の食べ方に、ジャージャン麺のタレをかけたものです。
じっくりかき混ぜてからいただきます。
ごちそうさまでした。それでは青龍寺へ。
よく整備されて落ち着いた感じの公園になっています。
目玉のひとつは青龍寺博物館です。
空海にまつわる展示がメインの一画を占めます。
階段を上ったら守衛役のおばさんが寝ていて、わたしが上ってきたのに気づいたのかゴソゴソしだしたのですが、なんと寝相を変えただけでした。君!
個人的にこういった陶器の類を見るのが好きです。
空海の展示を見ていたらこんなものが、、、
まあ、空海は香川県出身で、讃岐うどんが名物なので間違ってはいないのですが、、、
青龍寺博物館は決して大きくはなく、展示品も豪華絢爛といったものではないですが、空海の展示に大きなスペースを割き、日中友好を表現している様子がよく伝わってくるので、皆さんもぜひご覧になることをオススメします。
今の中国でこのくらい日中友好について展示されているところはなかなかないのではないかと思います。
さて、博物館の裏手にあるのが、本物の青龍寺なのです!
1200年もの昔、ひとりの日本人がここで密教の修行に励んでいたのです。
敷地内にはかつての仏殿跡地も確認できます。
今日は真夏日で昼日中にこのような場所に来るのは物好きな人だけでしょうが、春先には日本から送られた梅や桜を見にくる人々で賑わいを見せる青龍寺です。
1200年前に空海が基礎を築いてくれた、日中友好の証を青龍寺にご覧になりにいらしてはいかがでしょうか。
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