思い出のラーメンの本店で絶品の一杯をいただく
2023年12月、京都市下京区の「新福菜館 本店」を訪問しました。
お隣の「本家 第一旭 本店」さんからのハシゴです。

10時半に到着。待ちなし。

「ラーメン(小)」をチョイス。700円也。
2軒目ということでちょっと日和りました(笑)。

5分ほどで着丼。
真っ黒いスープが印象的で「本家 第一旭 本店」同様にたっぷりの九条ネギと少量のもやしが載っています。
九条ネギは京都のラーメンのスタンダード具材ですね。そういや京都発祥を謳っている「魁力屋」チェーンのお店も卓上ネギが盛り放題だったような。

熱々のスープは見た目の黒さほどクセはなく、あっさりとした醤油味で飲みやすいもの。
中細ながらも小麦感をしっかり感じる麺はひと口ごとに旨味を感じさせます。
豚さんが2枚沈んでいました。お隣とはちょっと風味食感は異なりますが存在感のあるもので、これがまた絶妙なバランスを醸し出しています。

新福菜館については特別な思い出があります。
私が学生時代にやっていたアルバイト先にMくんというひとつ下の後輩がおり、かれは都内の大学に通っていたこともあり流行りのラーメン店にめっぽう詳しく、埼玉の片田舎で学生生活を送っていた私にいろいろなお店を教えてくれました。
あるときMくんの運転で新横浜のラーメン博物館に行ったときに(かれは親父さんのクラウン:通称ウンクラ を乗り回していた)、そこでいただいたうちの一杯が当時出店していた「新福菜館」でした。
数年後、Mくんは就職活動に失敗し希望の業界に入れず、スベリ止めで入社した別業界の会社(それでも私にとっては見上げるほどの大企業でしたが)の地方にある工場に赴任していきました。
それでもメールをやり取りしながら一度彼が住まう地方都市を訪ねてドライブに出かけたり酒を飲むくらいの交流を続けていました。
彼が不慮の事故で亡くなったという知らせを受けたのはその数年後でした。
告別式で親父さんが泣きながら挨拶をされていました。親父さんは悲しかったろうし、悔しかったろうと思います。20年近く経ったいまでも、何と言ったらいいか分かりません。

「美味しいですね。でもやっぱり京都の本店のほうが味は上だと思います」
ラーメン博物館でMくんがそんなことを言っていたことを思い出しました。
ごちそうさまでした。おおきに!

新福菜館 本店:京都府京都市下京区東塩小路向畑町569