2016年の10月、青海省と甘粛省を旅しました。
- 1日目:西安から鉄道で青海省の省都西寧市へ
- 2日目:西寧市街観光(東関清真大寺、土楼観、青海チベット文化博物院、タール寺)
- 3日目:西寧からバスで大通回族土族自治県へ移動し、明代長城を観光。西寧市に戻り青海省博物館、南涼虎台遺址公園を観光
- 4日目:西寧からバスで黄南チベット族自治州の同仁へ。隆務大寺、吾屯を観光
- 5日目:同仁からバスで甘粛省の甘南チベット族自治州の夏河へ。ランブロ寺を観光
- 6日目:夏河からバスで甘南チベット族自治州の郎木寺へ。郎木寺を観光
- 7日目:郎木寺からバスで甘南チベット族自治州の合作へ。市街観光
- 8日目:合作から甘粛省の省都蘭州へ移動し、鉄道で西安へ帰る
当記事はその初回となります。
諸事情で1日目の西安→西寧の移動の写真はなく、2日目の西寧市街観光から始まります。よろしくお願いいたします。
西寧まち歩き
東関清真大寺
10月1日の午前9時、「東関清真大寺(ドングアン・チンジェンダースー)」にやって来ました。
中国のイスラム教徒である回族の人たちのモスクです。
東関清真大寺は西寧で最大のモスクです。明代の初期の創建とされており、これまで1913年、1946年、1979年にそれぞれ修繕や拡張がなされたそうです」。
イスラムの学校も併設されていて、中国のイスラム教文化を支える拠点となっています。
モスクの周囲には回族の人たちが使う雑貨、装飾品、服飾のお店が多くあり、お土産を買うエリアとしても適していると思います。
隣には回族の女子小学校があるみたいです。
カプセルホテル的なユースホステルにチェックイン
10時前、西寧の繁華街のひとつ「莫家街(モージアジエ)」にやって来ました。
実は昨日西寧にやって来たときに泊まろうとした宿と連絡が取れず(宿の場所が分からず電話したが、繋がらなかったと記憶しています)、仕方なくちょっとお高めのビジネスホテルに泊まることを余儀なくされました。こういうことはたまにあります。
もうちょっと安い宿を探していて予約できたのがこの莫家街にあるというわけです。
「尚俭太空舱公寓(シャンジェン・タイコンツァン・ゴンユー)」。マンションの一室にあるユースホステルです。1泊60元くらいだったと思います。
宿の形態はユースホステルですが、ベッドがこんな感じです。ちょっとしたカプセルホテルみたいです。
立地もよく、老板の女性も良い人でしたので、2018年に西寧に来た時にもこの宿を利用しました。
莫家街の入口から宿の場所までを案内しているのがこちら↓けっこう分かりづらいです。
宿の窓から望む西寧市街。
土楼観
11時過ぎに「土楼観(トゥーロウグアン)」にやってきました。
正面に見える山のふもとにある道教寺院です。
おお、キリスト教の教会がある。
正面にちょっと見える屋根が土楼観です。
参道沿いに出店が並んでおり、お線香やお供えものがたくさん売られています。
土楼観の創建は西暦106年。古い!
西安以西の甘粛省やここ青海省の地域は回族やチベット族、モンゴル系の少数民族が多く、シルクロードの味わい深い情緒が味わえるエリアですが、とはいえ居住する人々の大部分は漢民族であり、このエリアならではの漢民族の文化も面白いです。
土楼観は、背後にある「土楼山」の岸壁に建てられたお堂や、「九窟十八洞」と称される洞窟に置かれた神仏の像をお参りするのが言わばメインイベントなのですが、残念ながら今は登れないようです。残念。
青海チベット文化博物院
12時半、路線バスで青海チベット文化博物院まで移動してきました。先に回族の食堂で昼食をいただきます。
干拌面(ガンバン麺)。ミートソースのようなものです。シンプルな味わいで、麺もモチモチでうまいです。
13時、青海チベット文化博物院にやってきました。
青海省の大部分は、チベット高原の「アムド」と呼ばれるエリアと重なっており、チベット文化の影響が少なくありません。本来、チベット自治区だけがチベット族が住まうエリアではない、というわけです。
この博物館にはチベット文化に関する多くの品々が展示されていますが、ギネスにも登録されている618㍍におよびタンカは必見です(撮影禁止でした)。
タンカとは、チベット仏教の仏様やそれにまつわる事柄の描かれた掛け軸のようなものです。
タール寺
16時、湟中県にあるタール寺にやって来ました。西寧周辺では最も大きなチベット仏教寺院です。
西寧市街からはバスで1時間かかり、かなり郊外で寂しい場所ですが、タール寺の参道周辺は建物が立ち並んでいます。まあにぎやかといったほどではないです。
タール寺(塔尔寺:ターアースー)はチベット仏教の最大宗派であるゲルク派を開いた僧「ツォンカパ(西暦1357-1419)」が生まれた場所として知られています。
ツォンカパがラサに旅立ったあと、母親とお姉さんがツォンカパのために建てた仏塔がタール寺の起源となっています。1582年にダライ・ラマ3世がこの地を訪れたことでタール寺が大きく発展しました。
タール寺の内外には修行僧が住まう宿坊も多く、アムド地方におけるチベット仏教の一大拠点となっています。
なお、タール寺の敷地内は写真撮影禁止でした。残念ですがまあしょうがない。
もう少し写真がないと寂しいですので、せっかくなのでタール寺の周囲をコルラしましょう。
コルラとはお寺や仏塔の周りを時計回りに歩く巡礼行為です。
高層マンションが建設されていました。
くたびれたので途中で切り上げて(非敬虔的行為)、バス停に戻ります。
こんな感じの路線バスで戻ります。来る時はもっとボロい小型バスでした。
西寧市内に到着するころは薄暗くなっていました。宿でひと休みして、飯を食いに外に出かけましょう。
宿のある「莫家街(モージアジエ)」の周辺は夜になると大勢の人で賑わいます。
しがないひとり旅はちょっと裏通りにある空いてるお店で瓶ビールをいただきます。
ほとんどいつも串焼きを食っていて変わり映えしなくて忸怩たる思いもなくはありませんが、美味しいからいいのです。
このあと麺もいただきました。写真は撮り忘れてしまいました。
明日は西寧の郊外に明代の万里の長城を見に行きます。
https://kang-fu-lu.com/2023/06/27/china-trip_tibet2016_2_datong/